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ルリユールおじさん


大切にしていた図鑑のページがこわれてしまった少女。

なおしてくれる場所をさがして、パリの街を走り回る少女は、
ルリユールという、本なおしの職人の話を聞き、
路地裏へやってきます。

扉の向こうは、たくさんの紙や皮やその他、
大小の道具や材料でごちゃごちゃ。

目を輝かせる少女の声と、
本から聞こえる声。

どちらにも静かに耳をすませながら、
本なおしのルリユールおじさんは、しずかに、丁寧に、
託された図鑑にあたらしい命を吹き込んでいきます。


 

いせひでこ 作 講談社 1680円


ルリユールという言葉の持つ
「もう一度つなげる」という言葉の通り、

少女の想いとルリユールを
木の図鑑とルリユールおじさんの思い出を
この出来事すべてと少女の未来を

つなげて、綴り、丁寧に仕上げられたストーリーは、
とても丈夫でしっかりとしていて、
何度くりかえしページをめくっても、こわれることはありません。


おじいさんの子ども時代と、
少女の未来は、交わっている。

少女の見上げる木を、
別の日に見上げている人が、きっといる。

たくさんの想いが、リレーのようにつながり、支え合い、人生は紡がれていく。

そんなシンプルで力強い感覚が、
しっかりと心に根をはるようです。


つばさをもらったライオン


ねこの国をおさめる、金色のたてがみのレオ王は
とても立派な王様でした。

読み書きは、自分の名前すらもできませんでしたが、
「がおう」のひと声で、みんな言うことを聞いてくれましたし、
きれいなお妃さまもいましたし、
黄金もどっさり持ち、立派な宮殿に暮らしていました。

たったひとつ、気がかりだったのは、
北に住むオットー王の宮殿の壁には、なにやら不思議な宝が
ずらりと並んでいると、うわさされていたことでした。

そのうちに、レオ王とお妃に、王子が生まれました。
すばらしいことに、王子である赤ちゃんライオンには
背中につばさがはえていました。

ところがある日、王子は、まだじょうずに飛べないというのに、
そよ風にのって、ふわふわと窓の外に流されてしまいます。

さまよって、迷子になった王子が
親切なふくろに助けられて、つれていかれたのは、
北の国のしろくまのオットー王のもと。

そこは、とても古めかしく、豪華な装飾はありません。
ただ、壁にはずらりと、王子のみたこともないものが、並んでいて・・・



クリス・コノヴァー 作 遠藤育枝 訳
ほるぷ出版 1575円


タイトルにある「つばさ」は、
最初、王子の背中にはえ、体を自由にしました。

そして、その先で、王子は
心を解き放ち、さらに遠くへ飛んでいくことのできる
「つばさ」を手にします。

王子を夢中にさせ、とても幸せな顔で眠らせ、
学ばせ、自信をもたせ、成長させた、オットー王の宝。

それが
本、なのでした。


挿絵は、ダイナミックかつ正確で隅まで美しく、
そのうえ、表情豊かで、ほどよい遊び心も秘め、なんともチャーミング。
物語の本質を、品よく語ります。

見返しには、AからZまでのアルファベットが
それぞれに世界の昔話をモチーフに描かれています。


堂々と、ゆるぎなく、愛とユーモアのこもった本の讃歌。

ただ、たのしむだけで、
本のすばらしさが、伝わります。