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ながいよるのおつきさま


静かな夜、お母さんが赤ちゃんを抱っこして
夜の散歩に出かける。
こもりうたのように、詩を口にしながら。

季節はたぶん、冬。

でも、お母さんの口から言葉が流れると
そこには、月明かりに照らされた舞台のように
春が、夏が、たちあがります。

お散歩からもどるころには、きっと
赤ちゃんとお月さまは、おともだち。



シンシア・ライラント 作 マーク・シーゲル 絵
渡辺葉 訳 講談社 1680円


Coon Moon

9がつは あらいぐまの おつきさま
くろく ひかる め
ぴたぴた いう あしおと
ちいさな ちゃいろい はなの あたまを
おつきさまは みまもる

だいすきな ちいさな
よるの いきものたち

あしもとを
てらして あげるよ


むかしむかし、ネイティブ・アメリカンが満月につけた
12の美しい名前。

白くくっきりと浮かぶ、2月のSnow Moon
ほんのりと色づいた、6月のStrowberry Moon

朝がくるのを信じて、待ち続ける、12月のLong Night Moon

親しみやすいその名前が、
ひとつひとつの月にそえられた言葉が、
それはそれはやさしく響き、読む人を包みます。


1日が終わるころ、ひっそりとはじまる、もうひとつの時間。

大地を映し、ゆるやかに表情を変えるおつきさまに見守られながら、
静かに息づき、驚きを秘め、朝へむかって流れる時。

月夜をそのまま、そっと包んで、目の前でほどいてみたような、
静かで、力強く、親密な、ひとときを届けます。


あなたのおつきさまは、なんですか?


おつきみピクニック


おつきさまが、まるく、きれいな夜。

かめの親子は、お弁当をリュックにつめて、
水筒をさげて、おつきみピクニックにでかけます。

カサッコソッ カサッコソッ

かめの親子が、落ち葉でふかふかの道を歩いていると、
お友だちのはりねずみの親子や、ももんがの親子が、追い越していきます。

途中、ふくろうにひやっとしながらも、
無事に、池の広場につきました。

広場では、先にやってきた動物たちが、たくさん、
思い思いに、たのしそうに、おつきみをしています。



いちかわなつこ 作 ほるぷ出版 1365円


その、おつきみのようすは、
とてものどかで、平和で、おだやかな気持ちになる、光景。

月あかりに照られたお弁当を食べる。

それだけでも、
にっこりしながら、本を閉じられます。
でも・・・


この絵本は、まだ、すこしだけ、続きがあるのです。

かめのお母さんは、まんまるの月を眺めながら、
遠くに住む友だち、砂漠のかめさんにも、月あかりは届いているかな、
と、思います。

そして、ちょうどその頃、砂漠のかめさんも、
友だちと一緒に月を眺めながら、森のかめさんを思い出し、
お手紙を書いて、いたのでした。

そして、数日後・・・


ふだんはまっくらで、すこしよそよそしい夜が、
明るく親しみやすくなる、お月見の日の、特別なワクワク。

それだけでなく、月を見上げて、
同じ空の下にいるだれか・・・や、見知らぬたくさんの人に想いを馳せることの
あたたかさや、よろこびが、付け加えられています。

満月・・・
そのために、見上げる人も、きっと、いるでしょう。
わたしたちの、大切な、感覚。


いちかわなつこさんの絵本は
表情や、背景のこまごましたところまで、かわいいのだけど、
それは、ただかわいらしいだけでなく、小ネタになっているのではなく、
全体のあたたかな雰囲気を作っていて、いいなあと、思っています。


14ひきのおつきみ


いっくんから、とっくんまでの、10ぴき兄弟と、
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんの
あわせて14ひきの、のねずみの家族。

森の奥の大きな木の幹を
力を合わせて住み心地のいい素敵なおうちにしあげ、
豊かな四季に抱かれながら
なかよく、にぎやかに、暮らしています。



いわむらかずお 作 童心社 1260円


秋、十五夜の夜。

兄弟たちは、また、
なにかを作りはじめたみたい。

おうちのある大きな木に、
かごのエレベーターと、はしごをかけます。
どんどん、どんどん、高く高く。

まだ青いどんぐりのゆれる、ずーっと上まで登ったら、
木の枝を切って、しっかりとひもでしばって、つなげて、
立派なお月見やぐらができました。

ちょうどその頃、日が、しずみはじめて・・・


澄んだ初秋の風
通りすぎていく、赤く美しい夕日
そして残る、うすい闇

あたりの景色が、
ゆっくりと、けれどダイナミックに色を変えていき、
やがて、大きなおつきさまがでてくる様子は、
厳かで、圧倒的に、美しい。

その、ぽっかりと浮かぶまんまるお月さまにむかって
14ひきの家族は、手を合わせます。

おつきさん ありがとう、
たくさんの みのりを ありがとう、
やさしい ひかりを ありがとう。


迫力のある構図や、
自然のかくし絵に魅了されながらページをめくっていた手が
お月さまを前に、はたと、とまります。

愛でるだけでない、
わたしたちが、月へ抱くもうひとつの思いー

自然の恵みに感謝を捧げる、という
昔からつながる大切な営みを描きます。


小さな子にも人気の、ロングセラーのシリーズですが、
この「おつきみ」は、おとなの人にも、おすすめします。