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万次郎さんとおにぎり


この季節、新米が届くのが、とてもたのしみです。

いつもは五分つきにするのですが、
このときばかりは、やっぱり、白米に!

ピカピカのごはんのお供は
何にしましょう・・・

今年は、茄子の芥子漬けを極めたい。


もちろん、おにぎりだって、格別です。



「万次郎さんとおにぎり」
本田いずみ 文 北村人 絵 福音館書店
こどものとも年少版2012年10月


秋です。
万次郎さんの田んぼでは、
今年も、たくさんお米がとれました。

万次郎さんは、とれたてのお米で
大きなおにぎりを10こ、作りました。

ところが、のりが、1枚たりません。

万次郎さんが、とだなを探していると、
おにぎりたちが、「もう、まてねえぞう」とむずむず動きだし、
ころりところがって、外へいってしまいます。

のりの巻いていない、さいごのひとつも、
ちらばったのりの切れ端をくっつけ、あとを追います。

おにぎりたちは、どこへいったのでしょう?


おにぎりたちはね、
おてんとうさまに、晴れ姿を見せにいったのですよ。

「おてんとさまあ、みてくだされ この はれすがた。
わしら そろって うんまい おにぎりに なりましたぞおい」

ってね。


なんだか、うれしくなります。

食べられたくなくて、逃げたんじゃなくて、
うれしくて、見せにいったんです。

いとしい、おにぎり。

たくさん感謝して、いただきましょう。

・     ・     ・

昔話調の、のーんびりとした語り口に、
色のきれいなとぼけた絵が、よく合います。

年少版ですが、広い年齢の読み聞かせにも、活躍してくれると思います。


きょうのごはん


子どもが生まれ、鎌倉に移ってから、
日が落ちて出歩くことは、”ちょっと特別”になってしまったのですが、
東京に住んでいた頃、夏の、夕方から夜にかけての時間が
とても好きでした。

夕方の商店街は、ほどよくにぎやかで、
昼間の暑さから開放されて、ゆるやかな雰囲気が漂います。

ただアイスを買いに、という感じで歩いている人や、
入り口をちょっとあけて風をとおしている
居酒屋さんのカウンターで、おいしそうにビールを飲む人たち。

商店街をすぎ、公園の脇を通ると、
ふと感じる、オシロイバナの存在。

住宅街にはいれば、網戸越しに
暮らしの音や、晩ごはんのにおいが、流れてきて・・・

ノスタルジックな想いが横切る、夏の夕方。



「きょうのごはん」
加藤休ミ 作 偕成社


絵本「きょうのごはん」では、
1匹ののらねこが、夕方の商店街を歩きながら
おいしそうなにおいのするおうちを
1軒ずつ、のぞいていきます。

あるおうちでは、こんがり焼けたサンマ、
おとなりは、みんなで作ったカレーライス、
そのおとなりは、お父さん得意のオムライス・・・

画面いっぱいに描かれる、それぞれの晩ごはんは、どれもおいしそう!

そして、晩ごはんをいっそうおいしそうにしているのは、
食卓のうしろにのぞくことのできる、背景です。

おうちのなかの様子や、家族の姿から、
その日流れていた時間や
それぞれの家庭の積み上げてきた空気が、ただよってきます。




夏の夕方、網戸ごしに流れてくる晩ごはんのにおいが運んでくる
ノスタルジーの正体は、
どの窓の向こうにも、築かれてきた「今」があるという事実かもしれません。

夕方の風は気持ちよく、
外から聞こえる、帰路につく子どもたちの声や
虫や鳥の音は、ちょうどいいBGM。

窓をあけて、さあ、きょうは、何を作りましょうか。


くいしんぼうのはなこさん


わたしは、ほんとうに、食べることが大好き。

くいしんぼうなのです。

くいしんぼうというと、まだ、かわいらしくもありますけれど、
実をいうと、とても食い意地がはっているのです。

ときどき、はずかしくなるほどですが、
自分でも、どうしようもなくて、困ります。

くいしんぼう、で、とどめておかないと
ね、はなこさん。



いしいももこ 文 なかたにちよこ 絵
福音館書店 1155円


お百姓さんにかわいがって育てられた
はなこさんは、とてもわがままな子牛でした。

あれは、いや、これも、いやと、
ごちそうばかり食べていたので、むくむく大きく、
ぴっかぴかの、立派な子牛なのでした。

春になり、たくさんの子牛たちと一緒に
牧場にあずけられることになった、はなこさん。

お百姓さんは、これで、わがままも
なおるだろうと思いますが、とんでもない。

はなこさんは、牧場でもいちばんの女王になり、
ほかの子牛たちをひきつれて、さらにわがまま放題なのです。

ところが、ある日、その食い意地があだになり、
はなこさんが、たいへんなことに・・・


たいへんなわがままっ子の、はなこさんですが、
ちっとも憎らしくなく、むしろ愛すべき子牛として届くのは、
姿を紡ぎだす石井桃子さんの言葉が、
やさしさや慈しみをたっぷりとたたえているからでしょうか。

はなこさんにも、ほかの子牛にも、
それから、読者である子どもたちに対しても、
その視線は平等です。

そして、この、品のいいユーモア!

ユーモアって、
ただ、笑わせればいいってものではなくて、
こんな風に、心地いいものなんですよね。

・     ・     ・

はなこさんだって、
ちゃんと、反省したっていうのに
わたしときたら・・・

やっぱり、いちど、おなかが破裂しそうにならないと、だめかなあ。


かぼちゃスープ


この絵本が、本棚から、
ひっぱりだされたということは・・・

そう、わが家は、今夜、かぼちゃスープ。


ヘレン・クーパー 作 せなあいこ 訳
アスラン書房 1680円


世界一おいしいかぼちゃスープをつくる
なかよし3人、ねことりすとあひる。

森の中の小さな家にいっしょに住み、
毎日歌って、スープをのんで、ゆかいにくらす。

音楽を演奏するときは、
ねこがバグパイプ、リスがバンジョー、
ちいさいあひるが歌をうたう。

かぼちゃスープをつくるときは、
ねこがきりわけ、りすがかきまぜ、
あひるが塩で、味つける。

ちゃんと役目がきまってて、
けんかなんておこらない、はずが・・・

ある朝、あひるが思い立つ。
「ぼくが、スープをかきまぜる!」
そこからはじまる、大騒動。
とうとう、あひるが家出した!
おいしいかぼちゃスープ、どうなってしまうの?



歌うようにはずむ、テンポのいい言葉と、
大きめの絵本からも、喜怒哀楽ごとあふれてきそうな
ほっかほかに元気がよく、見応えのある絵。

おいしいかぼちゃスープが、ページから飛び散る
とろーり、ぴちゃ、ぴちゃ!

かぼちゃスープを食べたくなって、この絵本をひっぱりだすのか
この絵本をひっぱりだしたから、かぼちゃスープをたべたくなるのか・・・

まあ、とにかく

ごはんがおいしくなる、絵本がたのしくなる、最高のスパイス
「わいわい、たのしく、にぎやかに」をふりかけて
さあ、あったかいスープを、いただきまーす。

・     ・     ・

奔放なあひるに、
頭にきつつ、ふりまわされる、
ねことりす。

友だち、というより、兄弟のような関係の3人です。

かんたんそうだけど、
力がないとできない、かぼちゃを切る仕事。

かきまぜるのって、なかなか、重要
すぐ、こげちゃうから、根気がいります。

味付けは、塩とバターだけだから、
塩加減は大切
勘を働かせて、思いきりよく!

よくできた、役割分担。


この絵本が、棚の上に飾ってある間は、
なんども、なんども、かぼちゃスープが食卓にあがります。

ほかほかの恋しい季節の、はじまりです。