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にぐるまひいて


10月 とうさんは にぐるまに うしを つないだ。
それから うちじゅう みんなで
この いちねんかんに みんなが つくり そだてたものを
なにもかも にぐるまに つみこんだ。



ドナルド・ホール 文 バーバラ・クーニー 絵
もきかずこ 訳 ほるぷ出版 1470円


春に刈り取った、ひつじの毛をつめたふくろ、
ひつじの毛を、母さんが紡いで織ったショール、
母さんの紡いだ糸で、娘が編んだ手袋、
みんなで作ったろうそく、
亜麻から育てて仕上げたリンネル、
父さんが切り出した屋根板、
息子がナイフで作った白樺のほうき、
畑で掘ったじゃがいも、
りんご、はちみつ、蜂の巣、
樹液を煮詰めてとったかえでの砂糖、がちょうの羽根。

それをみんな、荷車に乗せ、
父さんはひとり、10日かかりで市場へ向かう。

そこで、持ってきたものをみんなー
詰めてきた箱や樽、
引いてきた荷車や牛までも、売り

手にしたお金で、外国製の刺繍針や、お鍋や、大型ナイフを
家族のおみやげにもとめ、家路につき

そして、家族がそれぞれのおみやげを手に、
また、はじまる、1年間。


また暮らすために、1年を暮らす、家族の姿。

19世紀はじめの、ニューイングランド地方を舞台にした、
美しくゆるやかな輪を描いて、どこまでも続く物語です。

・     ・     ・

生きていくことに、もっともらしい意味なんて、いらないし、
変動するしあわせは、ときどき、足かせになる。


生きることは、日々を暮らすこと。

ただ、こんな風に、
この1日が、1年後の今日に、つながっていると
たしかに感じられたら、
それだけで、大丈夫なんだと思います。