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クリスマス人形のねがい


もしわたしがねがいごとをしなかったら、どうなっていたかしら。

                  ー 本文より



ルーマー・ゴッテン 文 バーバラ・クーニー 絵
掛川恭子 訳 岩波書店 2100円


これは、願いごとのおはなしです。

孤児のアイビーは、どこかにきっといるはずの
あたたかく自分を迎え入れてくれるおばあちゃんの家を目指して
孤児院を抜け出し、見知らぬ街におりたちます。

同じ頃、その街のおもちゃやさんでは、
クリスマス人形のホリーが
自分の「クリスマスの女の子」が迎えにきて、
その手でだっこしてくれるのを、待っています。


雪の舞い、日の暮れる中、
あたたかな窓のあかりをながめながら
身寄りのない街をさまようアイビー。

とうとう閉店時間をむかえて、いじわるなおもちゃのいる
店内に残ってしまったホリー。

おもちゃやの見習いの少年。

子どものいないおまわりさんの夫婦・・・


クリスマスイブの1日。

起こる、ひとつひとつの出来事が、
ふたりの願いごとがかなうときにむけて
1歩1歩進んでいきます。

ときどき、じゃまがはいっても、
それさえも、幸せな瞬間をむかえるための
橋となるくらいでしか、ありません。

これは、願いごとのお話ですが、
ただ、願いがかなう、奇跡みたいなお話では、ありません。

与えられた状況をひっくり返すのは、じぶん次第!
と思える、元気のでるお話です。

明るく、前向きに、一生懸命に。

小さなアイビーが、願いをひとときも忘れずに、
1歩をふみだしたように。
人形のホリーが、強く強く、祈ったように。


・     ・     ・


行動すること、準備をすること、続けること。

願いごとをかなえるために、
必要なことは、いくつもあるかもしれません。

でも、絶対に、かかせないことは、ひとつだけ
それは、「ねがいごとをする」ということ。

すべては、そこからはじまります。


マーガレットとクリスマスのおくりもの


ものがたりには、いつも、発端があります。

小さな種だった出来事が
ゆっくりとふくらみ、
やがて土から顔をだすように。

目に見える部分だけ語られるものがたりの、
土の中の世界がプロローグです。


マーガレットは、サンタクロースにあこがれる女の子。

クリスマスが近づくと、森や湖で
かわいい木の実やきれいな葉っぱをあつめて、
丁寧に包んで、近所の人に、おくりものをします。

でも、この時期のおとなたちは、
とてもいそがしく、あまりかまってくれません。

マーガレットは、思います。

わたしが、ほんもののサンタクロースだったら・・・


そんな、プロローグで幕があける、ものがたり。


植田真 作 あかね書房 1575円


クリスマスの前の朝。

留守番中のマーガレットのもとを、
ふしぎなお客が訪ねてきます。

その、ちいさなくるみ割り人形は、
マーガレットを、サンタクロースとしてむかえにきたと、
言うのです。

最初こそ、半信半疑だったマーガレットも、
トナカイのかわりの大きな鳥たちの背中に乗るころには
すっかり、わくわくしてきました。

サンタクロースとはすこしちがうプレゼントを
少しちがう相手へ。

よろこばれるよろこび、広がる光景の美しさに満たされ、
すべてのプレゼントを配り終わると、ラッパの音が、鳴りひびき・・・


白く、どこまでも広い、空気の澄みわたった、作者独特の世界。

プロローグでかけられた魔法は、
  めくっても、めくってもとけず、
         ものがたりのさいごー

すばらしくあたたかな、ささやかなミラクルまで、運んでいってくれます。


・     ・     ・


小さな子が、
ひろったどんぐりを、お母さんに、さしだします。

自分のできることで、
相手をよろこばせたい、という気持ちは、
生まれたときから、そなわっているのでしょうか。

たどたどしい文字や絵で、手紙を書いたり
学校でならった工作をしたり。

おとなになっても、かわりません。

ならいたての手仕事で、オーナメントを作ったり、
こものを編んだり、カードを切ったり
時間と相談しながら、できることを、探します。

お店で選んだものも、すこしずつふえ、
クリスマスのすこし前は、
部屋のすみの机の上に、ずらりとならびます。

この1年の、ありがとうの、かたち。

よろこんでもらいたい、
という気持ちを、クリスマスは、かなえてくれます。

クリスマスのてんし


もうすぐ、クリスマス。

10人のちいさな天使たちは、
困っている人や、動物たちに、そっと、そっと、
手をさしだします。

すっぽり、雪でうまってしまった
野原の動物たちのもとへ、食べものを与えに。

大きなふくろを担いだ、サンタクロースのもとへ、
プレゼントを配るのを手伝いに。

道に迷ってしまった子には、手をひいて、おうちまで。

おなかのすいたぼうやには、
台所で、ミルクをあたためて。

みんなが、すこやかに、クリスマスを迎えられるように、
天使たちは、見守ってくれて、いるのです。



エルゼ・ヴェンツ-ヴィエトール 作 さいとうひさこ 訳
徳間書店 1785円


この絵本には、とびきり愛らしいしかけもあります。


ページをめくると、舞い降りた天使が役目を終えて、
おだやかな表情で歌いはじめ・・・

   

   ひとりひとり、ふえていき・・・

       

       10人の天使がそろうと、
       赤ちゃんのイエスさまとツリーを囲んで
       澄んだ声が、響きます。

       きよし このよる
       ほしは ひかり
       すくいの みこは
       まぶねの なかに
        ねむりたもう いとやすく


ちいさな天使たちの思いやりは、
あたたかで、ささやかな、
子どもたちの心にもはいる、ちょうどよい大きさ。

おだやかな空気は伝わり、
共感し、やさしさに満たされ。

だれかに、よろこびを与えられると、
自分もまた、だれかに与えたくなるもの・・・

愛らしさに魅せられて読むうちに、
きっと、いつの間にか、
クリスマスの思いやりの種が、まかれていると、思います。

クリスマスの本


手にとり、ページをひらくのをためらうほどの
つつましくきよらかな、佇まいの絵本です。


「クリスマス」
バーバラ・クーニー 作 安藤紀子 訳
長崎出版 1575円


やさしく、誠実に語られる、イエス・キリスト誕生の話。

それから、クリスマスが
今のように祝われるようになるまでの、
長い年月の人々の営み。

むかし、むかしの人々も、
どんなに自分の地での12月のお祭りをたのしんでいたか。

サンタクロースが、どのように生まれたのか。

そして、その時の流れの中で
ゆっくりとかたち作られた、今の、愛おしいたのしいクリスマスに
忘れてはいけないこと。


黒と、あとたった2色で刷られたシックな絵本は、
静かに、強い、クリスマスへの想いがこめられ、
ろうそくの灯りのような印象を残します。

ともしているあいだ、おだやかで豊かな時間がながれ
消しても、まぶたの奥に、光が映り・・

クリスマスを大切に想う人々のこころを、
あたたかく、ともします。


いっぽう、おなじ、クリスマスのことを伝える絵本でも、
こちらは、軽やかにはずむような、愛らしさ。


「クリスマスってなあに?」
ジョーン・G・ロビンソン 文・絵 こみやゆう 訳
岩波書店 1365円


さあ、みんな、だんろのまわりにあつまって。
クリスマスがはじまった日のお話をはじめますよー

そう、冒頭にあるように、
まるで、あったかい部屋で、みんなで輪になって
お母さんのお話を聞いているよう。

そんな、親しみやすい口調で語られるのは、
イエスさまの誕生の物語からはじまり、
クリスマスカードのこと、プレゼントえらびのこと、
ごちそうのこと、準備のこと、
サンタクロース、賛美歌、ツリー、パーティー、
エトセトラ、エトセトラ、
そして、クリスマスが終わってからの、数日間のことまで。

たっぷりの挿絵もかわいらしく、
クリスマスのことが、あますことなく
ぎゅぎゅっとつまった、素敵な小箱のような絵本です。

子どもたちとたのしめば、
クリスマスまでの日々が、いっそう、キラキラと輝くことと思います。

なじみのない外国のたのしげな風習は、
どんなにわくわくすることか!

・     ・     ・

子どものころ、大好きなクリスマスは、
ごちそうとサンタクロースの、華やかな行事。

思春期からの、恋だのなんだのの、時も経て・・・

おとなになり、もういちど、
クリスマスをとてもたのしみに過ごせるようになったのは、
クリスマスについて、その背景を知るようになってからです。

わたしは、キリスト教徒ではないけれど、
人々が長く、大切に祝ってきたという、そのことに魅了され、
受け継がれてきたクリスマスの精神に共感し、
大切にしたいと、思います。

ただの、きらびやかなおまつりよりも、ずっと、たのしめ、
それは、年を重ねるごとに、もっと、深くなっていきます。


クリスマスソングブック


街できこえる、クリスマスソング。

おもわず口ずさみ、
すぐに、ふんふん、はなうたに。

英語で歌えればいいなあ、と思い、
毎年、クリスマスの季節には、ひとりで、練習するのです。

そして、ようやく、すこし口ずさめるようになるころに、
クリスマスがやってきます。


  

児島なおみ 偕成社 各1365円


1冊は赤、もう1冊は緑の、
とてもかわいいクリスマスソングブックです。

クリスマスに歌いたくなる曲はみんな、
日本語と英語の歌詞と、楽譜つきで載っています。

昔から、よく耳になじんでいる曲も、
歌詞にそってみると、さらに豊かに響きます。

とびきり愛らしい親しみやすさに、
外国の香りのエッセンスをすこしおとしたイラストも、
小さな世界を作ります。


2冊ならべて、いつでも手に取れるところに、飾りましょう。

みんなと、元気に歌うのもよし。
ひとりで、こころの中で口ずさむのもよし。
ながめて幸せな気分になるのもよし。


わたしは、お風呂上がりに、
ひとり、ふとんの中で、歌います。

Come they told me
pa rum pum pum pum
A new bom KIng to see,
pa rum pum pum pum
Our finest gifts we bring
pa rum pum pum pum
To lay before the King
pa rum pum pum pum
rum pum pum pum
rum pum pum pum

へんな英語でも、じょうずな気分。

・     ・     ・

クリスマスソングブックは
ほかにも出版されていて、
それぞれに、とてもすてきなのですけれど、
愛らしさと実用性で、
毎年、いちばん手に取るのは、この絵本です。


ちいさなろば


たくさんの色とりどりの絵本のなかで、
だからこそとても目をひく、あずき色の表紙。

ひらくと、水彩で描かれた冬景色が広がり・・・

ちいさなろばの
さみしさ、おどろき、よろこびが、しんしんと伝わり、つもり、
イメージのかけらや、たくさんの想いが
夢のように淡く、こころにのこります。



ルース・エインズワース 作
酒井信義 画 石井桃子 訳 福音館書店 840円


くさはらの中に、ちいさなかこいがあって、
ひとりぼっちの、ちいさな、くろい、ろばがいました。

かこいの中をかけまわって、
「イーヨウ!」とないても、「イーヨウ!」とこたえてくれる
ともだちは、いないのです。

ろばは、クリスマスのことも、サンタクロースのことも、
知りませんでした。

けれど、通りかかった女の子に、はじめて教えてもらったその夜、
偶然、ちいさなろばは、足をいためたトナカイのかわりに、
サンタクロースの手伝いをすることに、なったのです。

無事につとめを終え、
くたくたになって眠りについた彼に、
サンタクロースがくれたのものとは・・・


サンタクロースは、だれにでも、
ほんとうにぴったりのプレゼントをくれる。

ちいさなろばだって、
満足でこころをいっぱいにし、胸をはることができる。

そんなあたりまえのことを
あたりまえに信じている子どもたちにとって、
これほど、気持ちを満たしてくれる絵本は
ないのではないでしょうか。


静かで、おだやかで、美しくて、あたたかい、クリスマスのものがたり。


・     ・     ・


わたしが、子どものころに読んでもらった
クリスマスの絵本の中でも、とても印象深く、こころに残っていた1冊です。

すべての場面が、静かなのに、ドラマチック。

声にされるために生まれたような
石井桃子さんの訳のテキストは、
読んでくれた人の声と、その時間のあたたかさと一緒に、きざまれます。

書店員時代に、はじめてハードカバー化され、
美しい銀色の帯を巻かれたこの本を棚に並べたときの
ほこらしい気持ちも、忘れないな・・・

今も、たくさんの大好きなクリスマス絵本の中で、
そっと、特別におもっている、絵本です。


奇跡って、こういう風におきて、
こんな風に、語られるものなんだよ。