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ビール仲間


夏といえば、ビール。

とりあえず、ビール。

おとなの夏のたのしみの大半には
ビールがついてくる、
といっても、過言ではないような気がします。

そして、絵本界のビール好き、といって、
おもいだすのは・・・


かの有名な、しろくまちゃん・・・
の、お父さん。

だってさ、
しろくまちゃんがあけた冷蔵庫に、
4本もビール冷やしてるの
みちゃったもんね。

それも、瓶。
きっと、酒屋さんから定期的に
配達してもらっているのでしょう。

かなりのビール好きと、お見受けします。


この絵本の中では、
お父さんの飲み終わった瓶、
ふたりの遊び道具になってるし・・・

今では、危なくて、遊ばせられないけれど、
たしかに、ビール瓶って、
吹けばホーホーいい音がするし、
注げばコポコポ、これまた独特の感覚がたのしそうですもんね。

・     ・    ・

絵本の中の、
お手本にしたくなるような素敵なお父さんお母さんたちが、
ふと、素顔をのぞかせる瞬間を見つけると
うれしくなってしまいます。

フランシスの両親が、
フランシスの寝たあと、テレビ観ながら
ケーキ食べてたり。

「きょうはなんのひ?」のお母さん、
朝ごはんは、お茶漬けだったのか、とか。

働き者の、一人暮らしのくまさんのおうちに、
お父さんとお母さんの結婚式の写真が飾ってあったのを
見つけたときも、なんだかあったかい気持ちになったなあ。




ラージャのカレー


ゆうやけこやけの、帰り道。

どこかの家から、
ナイター中継の音と一緒に流れてくる、晩ごはんのにおい。

通り過ぎながら、ふわっとわが家へ心がとぶ、
あの一瞬は、夏の好きなところの、ひとつでした。

近ごろは、窓をしめてクーラーのおうちが多いので、
なおさら、そんな瞬間に出会うと、
うれしくて、うれしくて。


にんにくや生姜をいっぱい使った、
中華もいいね。

焼き魚とおみそ汁のにおいに、ぐっとこない人はいないし・・

でも、いつだって1番、
食欲をそそるのは、なんといっても、カレーでしょう。


ちょっと疲れ気味の、夏の終わりの週末は、カレーで決まり!


 

国松エリカ 作 偕成社 1260円


ラージャは、南の島の、カレー屋です。

どんな材料でも、ぴったりのスパイスで
とびきりおいしいカレーに仕上げるラージャのカレー。

暑さでどんなにぐったりしていても、
じっくり辛さのしみこんだ
ラージャのカレーを口にすると、
たちまち元気になるのです。


おいしいだけでなく、大事な役目も果たします。

朝、まだ涼しいうちから作り始める
ラージャのカレーのにおいは、ジャングルを通って・・・

川ではたらく人たちをはげまし、
バザールの人たちを元気づけ、
お茶をつんだり、畑をたがやす人たちにお昼をしらせ

やがて、においは風にのり、上へ上へ。

そして、とうとう、入道雲をピリピリふるえさせ、
カレーのにおいは、かみなりになります。

動物たちをよろこばせ、涼しい風を運んでくる、
スコールのわけは、ラージャのカレーだったのですよ。

カレーって、すごいんです!


南の島の、熱い熱い空気の中を、のんびりと流れる時間が
そのまま描かれたような、絵本です。

ラージャのカレーのにおいをまとい、
人も、動物も、町も、
みんなとても、すてきな表情をしています。



・・・・・ おまけ ・・・・・


<ラージャのカレー 本日のメニュー>


とれたての白身魚とココナッツのカレー

1 ぴったりのスパイスをまぜます

2 スパイスを粉になるまですりつぶします

3 いためたたまねぎとよーくまぜます

4 魚をトントン切って、ソースをかけて
  油でカラリとあげます
 
5 水とココナッツをいれます

6 大きななべで、グツグツグツグツ煮込みます

7 ヒリヒリからくて、おいしいにおいが
  プーンとただよってきたら・・・

  めしあがれ!

あつさのせい?


あつくて、あつくて・・・

気がつくと、床にころがっている。

何をするにも、
いつもの、倍くらい、かかって。

というか、ほんとうは、
何にもしたくなくて。

だって、暑くてやる気が起きないから、
学校は夏のあいだずっと、お休みなわけで。

日本では、お盆休みというから
ちょっとピンとこないけど、
外国では、バカンス、
暑くて働いていられないから、お休みするわけで。

いいんです、それで。


まあいいか、暑いしね・・・

の気持ちで、
ゆるし、ゆるされる、
そんな夏が大好きです。



スズキコージ 作 福音館書店 1260円


とってもあついひ、
えきのプラットホームで、
うまのはいどうさんは、
ぼうしをとってあせをぬぐっていると、
でんしゃがやってきたので、
いそいでヒヒンととびのりました。

ベンチに置き忘れた帽子をみつけた
きつねのとりうち君は、
トイレでこそっとかぶってみて、
そのイカした姿に、ポーッとなって、
かごを忘れていきました。

かごをみつけたブタの三吉は
はいっていたお風呂道具を持って銭湯にいき、
シャンプーを忘れ、
シャンプーのにおいにうっとりした
うしの山口さんは、キャラメルを落とし、
キャラメルをひろったやぎのよし子さんは
ハンカチをとばし、
ハンカチをひろったくまののぶこさんは・・・


異国情緒あふれる、
どこかの小さな町での、できごとです。

暑くて、暑くて、
みんな、うっかりしています。

暑くて、暑くて、
みんな、こまかいことを、考えられません。

これが冬だったらと、
考えてみると・・・ブルブル、ふるえます、
きっと、殴り合いでしょう。

暑さでポーッとするくらいが、
ちょうどいいことも、たくさん、あるんですよ。

せっかく、暑いのだから、
ポーッと、すごしましょうね。


みずまき


太陽が真上に照る、夏の午後。

暑くて、暑くて、みんな昼寝です。

起きているのは、太陽ばかりの、じりじりした空気、
永遠みたいな時間の夏の庭。

と、そこに、雨の神が登場・・・
と思ったら、女の子。

にわのみなさん、あめだぞ、あめだぞ・・・

ホースを、ぶんぶん、ふりまわします。



古葉井悦子 作 講談社 1890円


うだるような暑さに、停止する世界。
ほとばしる水。
そこから、目覚めたように、動き出す命。

なめくじ、ぼうふら、あおむし、むくどり。

わたしたちの立っているこの大地は、
小さな小さな世界の集まりなんだ。

おなじ場所、おなじ時間を、それぞれの世界で生きるものたちが、
偶然交差した、ある、夏の午後の庭・・・


力強い生命力で満ち満ちる、ダイナミックな絵本で、
あたりまえの夏の暑さが、とってもいいものに、かんじられます。

まぶしい光と、
いっそう濃い影。

輝かしい命と、無常の愁い。

少女ソフィアの夏


7月の早朝。
ベランダの前の茂みに入れ歯を落とし
探しているおばあちゃんに、ソフィアが声をかける。

やっとみつかった入れ歯を、入れるところを見られるのを拒みながら
鮮やかにカパッとはめるおばあちゃんに、ソフィアは、聞く。

「おばあちゃん、いつ死ぬの?」

そしてふたりは、父親に禁止されている危険な岩の岬へ、
おばあちゃんを先頭に、朝の美しい散歩にでかけていく・・



トーベ・ヤンソン 作 渡部翠 訳
講談社 1680円


夏の間の数ヶ月間を、フィンランド湾の多島域の沖にある
ちいさな岩の島で暮らす、ソフィアと、おばあちゃんと、パパ。

多感と無垢の同居する年代のソフィアは、
まるまるあるそのほとんどの時間を
自然と、自分と、おばあちゃんを相手に過ごします。

そのすべてに、全身全霊を、まっすぐにぶつけながら。

他人の目のほとんどない暮しの中で、
どこかを削られることも、ふくらまされることもなく、
ソフィアはまだソフィアのまま、そこに在ります。


よき遊び相手、けんか相手でもあるおばあちゃんは、
少女が、恐怖や、怒りや、憎しみと向き合わなくてはいけないとき、
気づかれないようにそっと(ときにぶっきらぼうに)手をさしのべます。

不器用ながら、ソフィアも、しかり。

成長し、老いる、という当たり前のことを認め合い、
お互いの尊厳を守り合うこと、
ぶつかり、受け入れ、ときには、がまんしをし合うこと。

荒々しい自然の中で育まれた、ふたりの関係は、
清々しく、変化はあっても決してこわれることはなく、たくましいです。



印象的なエピソードや、会話で編まれる物語ですが、
親愛をこめて描写される、美しく大きなフィンランドの自然と同じように
小さな石ころ、こぼれる感情、つぶやきのひとつひとつが、そこにあることが大切で、
どれひとつ欠いても、とりだしても、成り立ちそうにありません。

読んだ人は、きっと、このまるごとを、こころに留めるのだと思います。


のらいぬ


夏の午後の、静かさが好きです。

なにもかもが、いつもより大きくて、広くて、
音は、そこに、吸い込まれてしまうみたいに静かで、
ひとりでいると、ときどき、ふと、さみしさにつかまる一瞬もあります。

夢のなかに、とりのこされたみたいな、
こころぼそさと、開放感。

境界線がぼやけてしまう、曖昧で、自由な時間。



谷内こうた 作 至光社 1260円

文字がほとんどなく、
大きな空と海と砂浜が広がる絵本です。


高く高く澄んだ、青い空。
焼けて熱い、海辺の白い砂山。

小さな、真っ黒ののらいぬが、歩いてきます。

砂に寝転ぶ、男の子をみつけて、
そばに寝転ぶ犬。

一緒に走りだし、並んで灯台を目指し、
芽生えたかのような絆でしたが、
灯台のてっぺんから、男の子は、海に消えてしまいます。


ひとりぼっちののらいぬのみた、夢でしょうか?
ほんとうに?

ひらくたびに、いろいろな表情をみせてくれる、絵本です。

海の波みたいに、肌にふれるそよ風みたいに、
こころが、動きます。

くもの日記ちょう



長新太 作 ビリケン出版 1680円
*版元品切



くもの、絵日記帖です。

くもくんが
ある日は流氷のそばにいって凍ってみたり
みやこわすれの鼻をあたまに飾ってみたり
ガールフレンドのくもこちゃんを思い出してみたり
アロハシャツを着てみたり・・・

そんな毎日が、つづられています。

くもくんは、ふわふわと
体が自由なだけでなくて、こころも自由です。

からだがくにゃくにゃ、変幻自在なだけでなくって、こころも、そう。

イイネ、イイネ。

そして、○月○日(はれ)、
くもくんは、クジラにうれしいことを言われて、
空のずっと上のほうへ行ってみよう、なんて
言いだすのです。

ずっとずっと、上のほうにいったら、くもくん、
どうなるの・・・?


くもくん、ゆうゆう気まま。

その、気ままさと、果てのないような大きさに、
地上で暑さにとろけそうになっているわたしのあこがれは、
募る一方なのでした。

これは、くもの日記ちょうです。

そして、作者の日記ちょうでも、あるような気がする
長さん晩年の1冊です。