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エミリー


少女の引越してきた家のむかいには、
町の人が「なぞのひと」よぶ女性が、妹と一緒に住んでいました。

その人は、20年ちかくも、家のそとにでたことがなく、
知らない人がくると、たちまちどこかへ、かくれてしまうそうです。

そして、花が好きで、詩をかいているとか・・・


ある日、一通の手紙が、
少女の家のドアの、郵便の受け口から、投げ込まれました。

すぐに、ドアをあけてみましたが、
外にはただ、まっしろな冬がたたずんでいただけ。
そして、足あとが、少女の家の玄関から、
道をわたり、おむかいの黄色い家まで、続いていました。

手紙には、少女のお母さんに、
春をよぶピアノを弾きにきてほしいと、あります。

お母さんについて、黄色い家にはいった少女は、
ピアノの部屋をそっとぬけだし・・・



マイケル・ビダード 文 バーバラ・クーニー 絵
掛川恭子 訳 ほるぷ出版 1575円


人嫌いと言われたけれど、
子どもたちにはとてもやさしかったという、
詩人エミリー・ディキンソンと、かわいらしい少女の
小さな友情、こころの交流のものがたり。

そして、曇りのない目で世の中をみつめ、
たくさんのふしぎに、こころをふるわせる人たちのものがたり。

春をよぶ、ものがたり。


ー この世の中には、ふしぎななぞが、たくさん、あります。

この絵本は、そんな言葉で
しめくくられています。

そのなぞに気がつかなければ、
答えをみつけることも、できないのでしょう。
驚きやよろこびは、すべて、
なぞと答えの間にあるのかもしれません。

だれとも会いたがらない、ふしぎな隣人を想い、
かさかさで、死んでいるようにみえる球根の中にひそんでいる命や
あたたかくなると姿を現す美しい花をこころに描き、
小さな春のかけらをあつめながら、じっと待つ。

そんな、なぞと答えの間の中に。


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