ブログやるならJUGEM
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

<< にほんご | main | あの庭の扉をあけたとき >>
ケルトの白馬


何年かおきに、何度も読み返す本です。

手にとると、こんな小さくうすい本に
ほんとうにあんな感動があったのかと疑い、
また今回も同じくらい心を揺さぶられるだろうか・・・
と、どこか心配になるのですが、
それは、いつも、杞憂におわります。


ローズマリー・サトクリフ 作 灰島かり 訳
ほるぷ出版


イギリス、バークシャーの丘陵地帯に今も残る
地肌の白い土を削って描いた巨大な白馬。

一体、いつ、だれが、なんのために
この軽やかに丘を空を翔るこの白馬を描いたのか・・・
サトクリフの答えが、この物語です。


誇り高き戦士の民、ケルトの部族の族長の息子でありながら
先住民の血が混ざり、褐色の肌をしたルブリンは、
次第に、音を、声を、風を、捉えて描きだす
ものつくりの人としての才能を目覚めさせます。

おだやかに、四季がくり返され、
仲間とともに戦士の訓練を受けるようになったルブリン。

やがて、一人前の男と認められるようになった
ルブリンたちのもとへ届く戦のうわさが、現実味を帯びはじめ・・・


どこか変わった空気をまとうルブリンが、厳しい運命の中で、
一族の誇りを、血を、友情を、自らの誇りを、才能を、
全うする様を描いた物語です。

敵族の長クドラックの、最後のことば。

「自由になれ、わが弟」

運命の重みと、確かさ、
その中にある一粒の自由の、重さと大きさに
心をがしっとつかまれ、揺さぶられます。


遠く、遠く、ケルトの物語ときいて、手にとりにくいという方も。

一晩で読み切れるほど、みじかいのです。
だまされたと思って・・・この読後感を味わってほしい、
珠玉の作品です。

スポンサーサイト